こんにちは。今回は文字(ひらがな)を書くことについて書きたいと思います。
以前、学校の巡回相談に行った際に、先生からなぞり書きもできない子がいて、どのようなことをしたらいいのかわからない、というお話しをききまさた。
その児童は、先生が書いてくれた点線の文字を少しはなぞっていました。しかし、はみ出ていてうまくできていませんでした。
なぞり書きって簡単そうなイメージですよね。では、書くためにはどんな力が必要なのか確認してみようと思います。
もくじ
書くにはたーくさんの力が必要!
正書法(単語の正しい表記のしか た),コード化,正書法-運動の統合,視覚-運動スキ ル,巧緻運動スキル,認知,言語のスキル,モチベーシ ョンなどが関係している。
(Tseng&Chow,2000)
運動 スキルにおいては,姿勢のコントロール,手の小筋を独 立して動かす能力,手と目と手の協応,利き手の確立, 運動プランニングの能力が必要とされ,認知スキルにお いては,視覚弁別,知覚統合,言語認知処理などの能力 が求められる。
(Kurtz,2012)
書字技能の発達および習得のための指導
生田 美織・米山 直樹 2013
上記の論文より見つけたものです。
文字を書くにはとにかくたくさんの力が必要です。
コード化(音情報を文字に変換すること)、一部の言語能力はなぞり書きには必要ないかもしれないですが、なぞり書きに必要な力もほぼ同じではないかなと思います。
そう考えると文字を書けない児童になぞり書きを課題として提供するのは、難しい気がします。
そこで塗り絵!!!
文字を書く前、幼児期には塗り絵をすることが多いと思います。塗り絵は上記の力を伸ばすことができると思います。
特に、視覚認知、視覚-運動スキル、巧緻性、運動プランニング、モチベーションあたりに効果があるのではないでしょうか。
ぐちゃぐちゃ→形へ
幼児さんであれば、まずは殴り書きからやってみましょう。持ち方はとりあえず気にしなくていいと思います。たくさん力強く塗ってみましょう。
小学1年生やなぐりがきに慣れてきたお子さんは、図形の塗り絵に挑戦してみてください。枠は気にせず、余白がなくなることを目標にしてください。
次は形の塗り絵に挑戦してみましょう。はみ出てもかまいません。しかし、枠は意識できるように、大人が周りを少し塗ってから初めてください。
形の塗り絵を始めたら、色々な線の練習を並行して進めてみてください。縦線、横線、ぐるぐる、ななめ、ギザギザなどです。大人と一枚の画用紙に一緒にやってみましょう。キレイさは必要ありません。大胆にいきましょう。
形の塗り絵は丸、四角、三角、菱形の順に進めます。組み合わせてもいいと思います。
大きさは大きいものからはじめて、徐々に小さくしてみましょう。はみ出なくなってきたら、持ち方も指を使って持っているか意識してみてください。
形ができるようになってきたら、一色で塗ることができるものを塗ってみましょう。(りんごなど)
とにかくモチベーションが落ちないことが1番大事です。たくさん褒めてあげましょう。
線の練習プリント
線のなぞりがき、模写などのプリントを置いておきます。
ぜひご活用ください。